先輩:昨日来ていた石田の友人達が、お前と会えなくなると話しを聞いたのだがどうなっているんだ?
石田:実は、前から考えていたんですが、今求人を探しているんですよ。転職をしようかと考えています。ここでは、もう3年目で仕込みも、もう覚えたのに次の段階に進ませてくれなので嫌になってきたんです。
先輩:それは、一つ一つの作業を甘く見ているからではないか?俺は、今までココで働いて15年にはなるが、何人も石田と同じように考える料理人を見てきた。みんな中途半端な考えが多い。料理の端っこを覚えただけで、何でも出来ると満足している。言わせてもらえば、満足するところが間違っている。日本食はたった3年で覚えられると思わないことだ。どんな料理でも、年数ごとに腕が上がるのに駆け出しで既に頂点を極めたと思える気持ちが理解できない!
石田:そこまで、考えてくれているのなら言ってもらわなければ分からない!と、言おうと思ったが言葉で表現できなかったので思い留まった。先輩に甘く考えていたのは私でした。先輩の言葉を聞いて目が覚めたような気がします。最初は、辞めようと思っていましたが、もう少しここで修行しながら考えよと思っているのですが
先輩:それは考えが変わったと思って良いんだな?それでは、もう辞めるとかは言わないって事で納得していいな。
石田:はい、もう少しココで修行して見聞を広めるようにします。
先輩:昨日来ていた石田の友人達が、お前と会えなくなると話しを聞いたのだがどうなっている...